🔄 知られざる運動の真実
運動は「一方向」だけではない
——3つの面で動く身体の科学
矢状面・前額面・水平面|本当に使える身体を作る
スクワット、ベンチプレス、デッドリフト——。
ジムでよく見かけるこれらのトレーニング、実はほぼ同じ方向の動きだということをご存知ですか?
多くの人が「前後の動き」ばかりをトレーニングし、「横の動き」や「回旋の動き」をほとんどしていません。
⚠️ これが問題になる理由
- 日常生活やスポーツではあらゆる方向に動く
- 一方向だけ強くても、他の方向では怪我をしやすい
- 本当の意味での「使える身体」にならない
この記事では、人間の身体が動く「3つの面」を解説し、バランスの取れたトレーニング方法を紹介します。
🔬 1. 人間の身体が動く「3つの面」とは
解剖学では、人間の動きを3つの面(Plane)に分類します。
矢状面(しじょうめん / Sagittal Plane)
前後の動きを行う面。身体を左右に二分する面。
📌 この面での動き
- 歩く、走る
- スクワット、ランジ
- ベンチプレス、ショルダープレス
- デッドリフト
- 腹筋(クランチ)、背筋
💡 ポイント:ジムトレーニングの80%以上がこの面での動き。最も鍛えられやすいが、これだけでは不十分。
前額面(ぜんがくめん / Frontal Plane)
左右の動きを行う面。身体を前後に二分する面。
📌 この面での動き
- サイドステップ、横への移動
- サイドランジ、ラテラルランジ
- サイドレイズ(肩)
- サイドベント(体側屈)
- ジャンピングジャック
💡 ポイント:スポーツでの切り返し動作や横への対応に必須。多くの人が見落としている面。
水平面(すいへいめん / Transverse Plane)
回旋の動きを行う面。身体を上下に二分する面。
📌 この面での動き
- 体幹の回旋(ひねり)
- ロシアンツイスト
- ケーブルウッドチョップ
- 投げる、打つ動作
- ゴルフスイング、野球のバッティング
💡 ポイント:パワーを生み出す「回旋力」の源。スポーツパフォーマンスに直結するが、最も鍛えられていない面。
📐 3つの面のイメージ
矢状面:身体を左右に切る「縦のスライス」→ 前後に動く
前額面:身体を前後に切る「縦のスライス」→ 左右に動く
水平面:身体を上下に切る「横のスライス」→ 回旋する
⚠️ 2. なぜ一方向のトレーニングだけでは不十分なのか
多くのジムトレーニングは矢状面(前後の動き)に偏っています。
📊 典型的なジムメニューの分析
→ ほぼすべてが矢状面の動き
❌ 一方向トレーニングの問題点
-
横方向への弱さ
→ 急な横移動で膝や足首を捻挫しやすい -
回旋力の不足
→ 投げる、打つなどのパワーが出ない。腰痛の原因にも -
筋力バランスの崩れ
→ 主動筋だけ強く、安定筋(スタビライザー)が弱い -
日常動作との乖離
→ 実際の生活やスポーツでは3面すべてを使う
💡 日常生活で使う「3面の動き」の例
- 振り返る:水平面(回旋)
- 横に避ける:前額面(側方移動)
- 荷物を棚に置く:矢状面+水平面(持ち上げながら回旋)
- 子どもを抱き上げる:3面すべて
- 転びそうになった時のバランス回復:3面すべて
🏋️ 3. 各面の具体的なトレーニング例
それぞれの面を鍛えるトレーニングを紹介します。
🔵 矢状面のトレーニング(前後の動き)
すでに多くの人がやっている種目。基礎として重要。
下半身
スクワット、デッドリフト、フォワードランジ、レッグプレス、レッグカール
上半身
ベンチプレス、ショルダープレス、ローイング、懸垂、プッシュアップ
体幹
クランチ、レッグレイズ、バックエクステンション、プランク
🔴 前額面のトレーニング(左右の動き)
見落とされがちだが、横方向の安定性に必須。
下半身
- サイドランジ:横に大きく踏み出し、戻る
- ラテラルスクワット:横方向への体重移動
- サイドステップ(バンドあり):横歩き
- コサックスクワット:深いサイドランジ
上半身
- サイドレイズ:肩の外転運動
- アップライトロウ:肘を横に上げる
- ラットプルダウン(ワイドグリップ):広背筋の側方
体幹
- サイドプランク:体側の安定性
- サイドベント:体側の屈曲
- スーツケースキャリー:片手で重りを持って歩く
🟢 水平面のトレーニング(回旋の動き)
最も鍛えられていないが、スポーツパフォーマンスに直結。
体幹回旋
- ロシアンツイスト:座位で体幹を左右にひねる
- ケーブルウッドチョップ:対角線上に引く/押す
- メディシンボール回旋スロー:壁に向かって投げる
- パロフプレス:回旋に抵抗するアンチローテーション
下半身回旋
- ローテーショナルランジ:ランジ+体幹回旋
- ピボットスクワット:回転しながらスクワット
- ヒップローテーション:股関節の内旋・外旋
上半身回旋
- ケーブルローテーション:腕を伸ばして回旋
- シングルアームプレス(立位):体幹の回旋抑制
- ランドマインプレス:斜め上方への回旋プレス
📋 4. 3面をバランスよく鍛えるメニュー
実際のトレーニングに取り入れやすい、バランスの取れたメニュー例を紹介します。
🔥 全身3面トレーニング(45分)
💡 取り入れ方のコツ
- 既存メニューに「追加」する
毎回のトレーニングに、前額面と水平面の種目を1つずつ追加 - ウォームアップに組み込む
サイドランジやローテーション系を準備運動として行う - 週1回は「3面の日」を作る
上記のような3面を意識したトレーニング日を設ける - 複合動作を取り入れる
ランジ+回旋など、複数の面を同時に使う種目を選ぶ
⚽ 5. 日常生活・スポーツへの応用
3面すべてを鍛えることで、実際の生活やスポーツで使える身体になります。
🏃 スポーツ別:重要な面
🏠 日常生活での効果
- 転倒予防:横方向のバランス能力が向上し、つまずいても踏ん張れる
- 腰痛予防:体幹の回旋力・安定性が向上し、ぎっくり腰のリスク低減
- 動作の効率化:荷物を持つ、子どもを抱くなどの複合動作がスムーズに
- 怪我の予防:あらゆる方向からの負荷に対応できる身体に
📝 まとめ:3面で動く身体を作る
- 人間の動きは矢状面(前後)・前額面(左右)・水平面(回旋)の3面で構成される
- ジムトレーニングは矢状面に偏りがちで、他の面が弱くなりやすい
- 前額面(サイドランジ、サイドプランク等)で横方向の安定性を鍛える
- 水平面(ロシアンツイスト、ウッドチョップ等)で回旋力を鍛える
- 3面をバランスよく鍛えることで、本当に使える身体になる
「強い」だけでは足りない。
「あらゆる方向に強い」身体を目指そう。
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📚 あわせて読みたい
自宅でできるキックボクシングトレーニング → 3面すべてを使う全身運動の具体例📖 参考情報
- Neumann DA (2010) “Kinesiology of the Musculoskeletal System” Mosby
- Cook G (2010) “Movement: Functional Movement Systems” On Target Publications
- Boyle M (2016) “New Functional Training for Sports” Human Kinetics

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